#44
summarized by : Hiroki Okawa
Hyperspectral Image Denoising With Realistic Data

どんな論文か?

HSIカメラ(Hyperspectral Imaging: 分光画像)におけるノイズ除去に関する研究。機材が高価でデータセットの規模が小さく、機械学習もSyntheticデータに頼ってきた(Syntheticはノイズモデルに依存しているため実際のHSIで精度が落ちる問題がある)。本研究ではHSIにおいて初のパブリックなデータセットを提供するとともに、HSI特有ノイズのモデル化と除去を行った。
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新規性

HSIにおける初のデータセットを公開した(2021/10/18現在未公開)。また、屋内だけでなく屋外も対象としている。通常のノイズ除去では想定されていないHSI特有のノイズ(空間或いは波長方向に操作するため、ストライプ上のノイズが現れる)をモデル化。実際のHSIだけでなく、本ノイズモデルを用いたSyntheticデータを作成し、実際のHSIと同様の精度を達成することも確認している。

結果

PSNRで既存手法に5ポイント以上の差(Noise: 20.9, 既存手法: 23~26, 本手法: 30.58)をつけることができた。スペクトル復元は既存手法と大きな差はないが、これは既存手法での精度が十分高いことに起因する。ただし、400nm-700nmの内、両端50nm程度の帯域はやや精度が落ちている。これはノイズモデル外の影響と思われる。

その他(なぜ通ったか?等)

モデル化に強い佐藤洋一研、佐藤いまり研と縁の深いYing Fuさんの研究室での研究。こちらもモデル化の妙が光っている。HSIは高価な機材が必要なため研究トレンドにはなりにくいが、データセットの公開を行い開いた研究にしようという姿勢が見られる。HSIカメラは走査方向によって特性が変わるが、最悪でもカメラごとにFineTuningを行えば同一モデルでノイズ除去が可能な点も評価できる。